発展するPDFへの期待

創業されたのはアーカンソー州ベントンビルという小さな田舎町で、現在もそこに本社がおかれています。 グループ内には様々なディスカウント業態があり、それらをすべて合わせると三○○○店舗以上にこれまでWは食品をほとんど扱ってきませんでしたが、非食品分野でのディスカウント業態に寡占化が進んだ結果、最近では新しい業態を開発して食品の販売も開始し、食品小売業としても急成長しており、注目を集めるようになっています。
Wにおいて注目すべきなのは、同社が米国流通業界でもっとも早く本格的なEDIシステムを構築した企業の一つであるという点です。 Wの視察にやって来る日本の流通業者は大変多いのですが、多くは店舗、あるいは取り扱っている商品だけを表面的に見て「たいしたことはないじゃないか」という認識を持ってしまうようです。
じっくりと見てゆくと店舗にも多くの工夫が埋め込まれているのがわかるのですが、同社が本当にすごいのは店舗の一畏側にあるシステムなのです。 それについて少し説明します。
Wの店舗は大きいものになるとワンフロアーで四○○○坪を超えるようなものもたくさんありますが、一般的なのは三○○○坪弱のタイプです。 そこには六万点以上の商品が陳列されていますが、その中の主要な売れ筋商品は三○○○点ほどあるとされています。
それらは売上においても大きな部分を占める重要な商品で、Wではボリューム・プロデューシング・アイテム/VPIと呼ばれ重視されています。 このVPIを品切れさせないことは、同社にとっては大きな課題です。
そのためにWはすでに八○年代初期、バーコードスキャナーを完備したPOSシステムを全店舗に導入し、中期にはベンダー企業とのEDIも開始しています。 このシステムを使って同社全三○○○店舗におけるVPI商品の一時間ごとのPOS販売生データが、本社、自社物流施設、そして取引メーカーに電送されています。
このデータの活用によって関係各方面での完全な商品管理が可能となります。 しかも電送のために使われているのは八○年代後期に完成した、全店舗を結ぶ衛星通信網です。

これが完成すれば、店頭での欠品が全く起こらないのに、「在庫はトラックの中にしかない」というような究極の物流システムが登場します。 このような状況の実現を目指して、Wでは新たなシステムへの投資とテストが繰り返されています。
地の店であるのにかかわらず、そこに生活する人たちにとって必要なものすべてが、いつでも欠品なく揃っており、しかもそれがものすごく安い、というのがWの魅力ですが、その背後にはこうしたハイテクシステムがあることを忘れてはいけません。 また、トラックで何時間も走らないと店がないような米国の僻地を中心に店舗を展開している同社ゆえに、POS情報の流通とともに、商品の物流が大きな課題となります。
そのような地域的なハンディキャップにもめげずに商品回転率の向上を目指す同社が、現在目指しているのは、物流倉庫にも、店舗にも、在庫を全く持たない状況、つまり在庫ゼロ化です。 米国でもっとも激しい競争を繰り広げているのは食品スーパーマーケットではないかと思います。
現在、米国には三万店舗ほどの大規模なスーパーマーケットがあります(平均売り場面積七六○坪)・人口比で計算すると八八○○人、あるいは三三○○世帯あたりに一店舗という割合になります。 それらの店舗が米国で販売されている食品全体の七六%までを売り上げています。
日本ではコンビニエンスストアが大きく成長していますが、コンビニ発祥の地である米国では、コンビニが食品の売上に占めるシェアはわずかに六%程度でしかありません。 コンビニが成長できないほどにスーパーマーケットが力を持っているわけです。
ちなみにチェーンのスーパーマーケットの場合には、四○%弱が別時間営業されています。 米国がリセッションにあったときには価格が競合の焦点となってきましたが、現在ではその競争も行き着くところまで行ってしまい、それ以外の要素がクローズアップされてきています。
また人口が増えている限り、食品の市場も拡大する可能性がありますが、人口増加が止まってしまった現状では、右一眉上がりの成長も望めません。 限定された市場の中で生き残りをかけた競争が始まっているわけです。

こうした時代には新たに顧客を得ることよりも、現在、店に通ってきてくれている顧客を逃さないこと、そして彼らがより多く自店で買い物をしてくれるようにすること、つまり既存顧客の深耕がいっそう重要になってきます。 なぜならば、新たに顧客を獲得すること、つまり他の店舗を利用している人を自分の店にこさせるようにするためには、大変な時間と経費を必要とするからです。
また努力の結果、獲得した客であっても、彼らは同じようなきっかけでよその店に行ってしまう可能性が高い、不安定な客です。 結局、そうした客は儲けさせてくれない種類の消費者なのです。
ストアロイヤルな顧客を作るFFPとは限定された市場で生き残るために重要なのは、儲けさせてくれるお客、つまり店舗に対して愛着を持っており、いろいろな機会に自店を利用してくれ、その結果、より多くのショッピングをしてくれるような顧客を、できるだけ多く持つことです。 そのためには店と顧客との関係を強める必要があります。
そこで着目されたのが、航空会社で一般化しているFFP(フリークエント・フライヤー・プログラム)です。 FFPというのは飛行距離に応じてポイントを与え、その蓄積されたポイント点数によって無料の航空券などをプレゼントするというプロモーションです(注》航空業界におけるFFPに関しては、第5章で詳しく紹介します)。
スーパーマーケットにおけるFFPでは、自社の会員だけに対して特定の商品を割り引くということが多く行われています。 商品棚にラベルが付けられており、通常の価格と「会員価格」とが表示されているわけです。
誰でも会員となることができ、会員になってレジで精算の時に会員カードを提示すると、自動的に割引が受けられるのです。 この店で買い物をしている人でしたら、誰の目にも会員となることのメリットがはっきりと理解できますから、会員は自然に増えていきます。
そして会員になれば、その店との結びつき、店への忠誠心=ストアロイヤルティは確実に増加します。 もちろんいくつもの店のカードを持ち、少しでも安い店を探して渡り歩くお客はどのような状況でも存在します。

彼らはこのシステムによってストアロイヤルティを高めることはありません。 しかし重要なのは、このシステムは自店にとって大切な優良顧客は誰かを教えてくれるという点です。
たとえば、そうした人がどのような商品を購入しているのかという購買データを分析することによって、品揃えの方向を、より儲けの出るような方向へと調整してゆくことも可能になります。 店のサイズ的な拡大には自ら限界があるので、取り扱いアイテムを無限に増やすことは不可能です。

PDFの道は決して楽ではありません。PDFの為になる情報です。
結局PDFで自分磨きをしてみませんか?欲しいPDFが欲しい所に来た感じです。
PDFは万全ですか?CMでおなじみのPDFです。